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【 読み終えた本:赤の女王の名の下に 】10月28日

 『赤の女王の名の下に』汀こるもの:著 (講談社ノベルス)

 2009年11月初版発行。タナトスシリーズの1冊。今回は作者の視点に近い神の視点で書かれている。
 シリーズ物なのに、あるレギュラー人物のキャラがこれまでの作品と違っている。ものすごく変人になっていて、びっくりした。
 キャラが変わったレギュラー人物と主人公達との会話の楽しさが秀逸で、ある時はクスクスと、又ある時はゲラゲラと笑いながら読んだ。構成も巧く、上質なユーモアミステリィだった。ユーモアミステリィのくせに、まったく笑えない『館島』の作者の東川篤哉氏に、汀こるもの氏の爪の垢を煎じて飲ませたいと思った。
 これは他のタナトスシリーズ作品にも言える事だが、主人公たちを事件に関わらせる理由が、ちょっと強引だったのが気になった。
 今回も汀こるもの節が炸裂。うんちく部分は今回が一番面白かったが、一方的な意見を押し通していた。


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▲大阪府内にて。
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by chel-c2009 | 2013-10-28 07:19 | 読書

【 読み終えた本:リッターあたりの致死率は 】10月23日

 『リッターあたりの致死率は』汀こるもの:著 (講談社ノベルス)

 2009年4月初版発行。
 誘拐犯と誘拐された人間のやりとりが面白かった。どんでん返しもあり、ミステリィとしては成立しているが、あと味が良いのか悪いのか、よく分からない微妙なラストだった。それでも、全体的に面白かった。小説としては、誘拐される途中で語り手が不明になるのはご愛嬌。
 尚、相変わらずの汀こるもの節が炸裂。うんちく部分を読み飛ばしても問題はないが、その部分が面白いので、読み飛ばすのはもったいない。
 しかし、鵜呑みにするのは禁物。というのは、僕がたまたま知っている事について、うんちくが語られていたが、強引な理屈で独善的に決めつけているが、必ずしも正しいとは限らない事を書いていたからだ。


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▲大阪府内にて。
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by chel-c2009 | 2013-10-23 12:17 | 読書

【 読み終えた本:キララ、またも探偵す。 】10月15日

 『キララ、またも探偵す。』竹本健治:著 (文藝春秋:刊)

 2008年5月初版発行。ソフトカバー。シリーズ2冊目の短編集。3つの短編と1つのショートショートが収められています。
 アニメ絵が表紙のラノベです。ラノベなので、不自然な話運びや僕という一人称描写の変なところは、気にするだけ無駄です。単純にドタバタなストーリィを楽しみました。
 人間とまったく同じに見えるアンドロイド(人型ロボット)が存在する世界という設定のSFです。第1話の「キララ、失踪す。」と第2話の「光瑠、探偵す。」は、ミステリィの要素も有りますが、第3話の「キララ、赤面す。」は、エロ要素たっぷりのバカ話です。第4話のショートショートの「雨の公園で出会った少女」は、たいした内容も無い、雰囲気を楽しむ作品でした。
 前作を読んでいれば、楽しめる作品でしたが、面白さは前作のほうが遥かに上でした。図書館で借りて読んだのですが、買わなくて良かったです。その程度の面白さでした。


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▲大阪府内にて。
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by chel-c2009 | 2013-10-15 12:37 | 読書

【 読み終えた本:竹馬男の犯罪 】10月12日

 『竹馬男の犯罪』井上 雅彦:著 (講談社ノベルス)

 1993年8月初版発行。ホラー作家のミステリィ小説のデビュー作。
 とにかく小説の技術がヘタ過ぎる。視点の固定ができていなくて、三人称、神の視点、作者の視点がチャンポンされていて、一場面一視点も守られていない。なまじっか、語彙が豊富なだけに始末が悪く、とにかく分かりにくかった。
 三人称で書かれている文章で、偽名を使っている人物の名前を地の文で偽名のまま表記するのは、推理小説ではルール違反。未来に起きる事が地の文で書かれているのも変。
 あまりの文章の下手さに、伏線を読み取る事を断念して、斜め読みで読み飛ばすが、物語の構成もヘタで、筋を追うのにも苦労した。
 独特の世界観なのだが、文章が下手なせいと、無駄な描写が多くて、その世界に入り込めなかった。あとがきに「最後にサプライズがある」と書いていなければ、途中で読むのを止めていただろう。
 そのサプライズも、バカミスに近いトリックが使われていて、それ自体は驚きだが、文章と構成が下手なのでサプライズが活かし切れていないのが残念。
 文章に勢いがある島田荘司氏やケレン味のある作風の三津田信三氏あたりがリライトすれば、素晴らしい作品になったと思われるだけに、とても残念だ。
 今後、この作者の作品は読まないと思う。



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▲大阪府内にて。
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by chel-c2009 | 2013-10-12 07:47 | 読書

【 読み終えた本:風景を見る犬 】10月11日

 『風景を見る犬』樋口有介:著 (集英社:刊)

 2013年8月初版発行。
 沖縄を舞台にしたミステリィ。樋口作品によくある設定で、少し醒めた男子高校生の主人公とちょっと生意気な美少女が、この作品にも登場します。主人公の周りには不自然なくらい、いい女だらけというのも、いつも通りです。
 この作品では、料理を作る場面がたくさん出てきて、それがすべて美味しそうで、読みながらお腹が空きました。そして今回も、タイトルの付け方が巧いと思いました
 沖縄が舞台なので、沖縄の県民性や問題点が書かれていました。特に、ちゃらんぽらんで雑で利己的だという、良く言えば、おおらかな沖縄人に対しての作者の分析が的確で、沖縄の人がこの作品を読むと、気を悪くしそうです。
 主人公を取り巻く人々と共に、連続して起こる殺人事件の謎を解き明かしていきます。登場人物の数は少ないですが複雑な人間関係とミスリードで、作者は巧く犯人を隠しています。ヒネリも複数回あり、とても面白かったです。
 ただ、主人公が作者都合で不自然な行動をとる場面があった事と、”僕”の一人称なのに、地の文での説明セリフがたくさんあった事が、少し気になりました。又、利己的な殺人者が罪に問われない終わり方が残念で、そういう意味では読後感は良くないです。



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by chel-c2009 | 2013-10-11 19:00 | 読書

【 読み終えた本:ミステリ☆オールスターズ 】10月7日

 『ミステリ☆オールスターズ』本格ミステリ作家クラブ編 (角川書店:刊)

 2010年9月初版発行。ソフトカバー。23人の作家の短編と5人の作家のリレーミステリィから構成されているアンソロジーです。
 印象に残った作家の作品だけ、感想を書きます。

 『水密密室』汀こるもの:著
 ユーモアミステリィです。タナトスシリーズの短編です。短編でも、汀こるもの節はいつも通りでした。密室で殺人事件が起こり、水槽が事件のキーポイントになるのは、汀こるもの作品ならではです。タナトスシリーズのファンならば楽しめる作品ですが、そうでなければ評価は低いかもしれません。

 『二毛作』鳥飼否宇:著
 ユーモアミステリィです。アリバイ崩しと見せかけて、じつは……という趣向がユニークで、面白かったです。

 『羅漢崩れ』飛鳥部勝則:著
 ホラーミステリィです。「消えたバラバラ死体の謎」と「人物を誰も見ていないパターン」の組み合わせです。謎解きは強引ですが、伏線もきちんと貼ってあり、ラストのヒネリが秀逸でした。今回収められていた作品の中で、この作品が一番、面白かったです。

 『密室の鬼』辻真先:著
 ユーモアミステリィです。シナリオ形式で書かれています。謎は「密室からの消失」です。主人公がじつは……の趣向がとても面白かったです。アニメ作品のシナリオを数多く書いてきた作者の面目躍如でした。

 『ある終末夫婦のレシート』柄刀一[つかとう はじめ]:著
 夫と妻、それぞれの買い物のレシートだけで、読者に殺意と事件を想像させる実験的な作品ですが、「それがどうしたの」というのが僕の感想です。印象には残りましたが、面白くなかったです。

 『完全無欠の密室への助走』早見江堂[はやみ えどう]:著
 同じ作者の『本格ミステリ館焼失』という作品を書店で見かけて以来、気になる作家だったのですが、ネットでの評価がものすごく悪かったので、手が出せませんでした。今回の短編で試しが出来て良かったです。サスペンスミステリィです。”僕”の一人称なのに地の文で説明セリフが多く、物語自体も薄っぺらくて面白くありませんでした。どうやらネットでの酷評は正しそうです。尚、矢口敦子という別名でも小説を書いているそうですが、そちらの作品も読む気が無くなりました。

 『【静かなる男】ロスコのある部屋』早見裕司:著
 ユーモアミステリィです。この作者の名前は、このアンソロジーで知りました。美術館が舞台で、陳列ケースのガラスが割られて中の宝石が盗まれずに、逆に宝石がひとつ増えていたという謎がメインです。唖の男性が探偵役で、その手話通訳の女性がワトソン役というのがユニークです。良くできたミステリィで読後感も良かったので、他の作品も読んでみたくなりました。


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by chel-c2009 | 2013-10-07 12:07 | 読書

【 読み終えた本:ダナエ 】10月3日

 『ダナエ』藤原伊織:著 (文藝春秋社:刊)

 2007年1月初版発行。美術界や広告業界にたずさわる人が主人公の三つの物語が収められた短編集。とても面白かった。
 どの物語も殺人事件は起きないが、謎があり、謎解きがある。ジャンルはミステリィ。
 どの物語も構成にヒネリが利いており、最後まで飽きること無く読めた。
 どの物語も有り得なさそうな話を説得力のある文章でありそうな話に変えていた。
 どの物語も仕事の出来る人間が登場するので、読んでいて気持ちが良かった。
 どの物語もほろ苦い終わり方だが、読後感は良かった。
 一人称描写の弱点をちゃんと理解していて、説明は全部会話の中に入れたりなどの工夫がされている事に感心した。プロが書く小説としては、この程度の技術は当たり前の事なのだが、ほかの作家の小説では出来ていない場合がとても多い。小説家の文章レベルが低くなっているのは、事前に作品をチェックする編集者が原稿を受け取るだけのサラリーマン化している事も一因だろう。
 CM撮影で起用した歌舞伎役者をタクシーで迎えに行ったら、ハイヤーでない事にヘソを曲げて撮影現場に来なかったという裏話的なエピソードが印象に残った。作者の実体験だろうか。


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by chel-c2009 | 2013-10-03 06:13 | 読書

【 読み終えた本:GOTH 番外編 】9月28日

 『GOTH 番外編《森野は記念写真を撮りに行くの巻》』乙一:著 (角川文庫)

 2013年7月初版発行。
 映画化に便乗して2008年12月に『GOTH モリノヨル』として、新津保建秀氏の写真とコラボして出版された短編1つの文庫化です。文庫化に際して、写真をバッサリ落として小説だけになりました。出版社の判断は正解です。写真がまったく面白くありませんでしたから。あの程度の写真で報酬を貰えるなんてうらやましいです。
 削られた写真と違って物語は、とても面白かったです。ジャンルとしては、サスペンス・ミステリィです。今回の視点人物はシリアルキラーのカメラマンですが、森野の友人の男性(探偵役)の突き抜けてドライなキャラが今回も活きていましたが、本編の『GOTH』を先に読んでいないと面白さは半減すると思います。


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by chel-c2009 | 2013-09-28 13:08 | 読書

【 読み終えた本:ウンター・デン・リンデンの薔薇 】9月26日

 『ウンター・デン・リンデンの薔薇』栗本薫:著 (角川文庫)

 2001年7月再版発行。(初版は2000年3月)《六道ヶ辻シリーズ》の第2巻目。第1巻が面白かったので、遅ればせながら購入しました。
 事件は起こりますが、ミステリィとしては味がとても薄いです。大正時代の女学校を舞台にしたGL (ガールズラブ)小説と言ったほうがしっくりします。もしくは、犯罪小説でしょうか。
 講談を口述筆記したような、だらだらとした締まりのない文章で、それが栗本薫調と言えなくもないですが悪文です。視点を無視した文章は、慣れるまでは読みにくいです。
 話自体はたいへん面白かったですが、それもラスト前まででした。ラストは独りよがりで腰砕けに終わって、がっかりしました。とりあえず、この《六堂ヶ辻シリーズ》を追うのはここまでにします。
 尚、菫[すみれ]と言う漢字くらいはルビを打って欲しかったです。


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by chel-c2009 | 2013-09-26 06:38 | 読書

【 読み終えた本:N・Aの扉 】9月25日

 『N・Aの扉』飛鳥部勝則:著 (新潟日報事業社)

 1999年11月初版発行。この作者の初期の作品です。
 込み入った構成のメタ・ミステリィです。”閉じる物語”を力技で完成させています。主人公が書いた小説の習作を読んだ友人の批評だけを読者に提示して、その習作の全体を読者に想像させる趣向は面白いと思いましたが、面白いと思ったのはその部分だけでした。
 ”閉じる物語”という仕掛けにこだわり過ぎて、肝心の物語そのものが全体的に盛り上がりに欠けており、その仕掛け自体も作者の空回りでした。やりたいことは分かりますし、うまく決まれば面白いとは思いますが……。
 マイナーな出版社のせいで、僕の生活圏の中にある書店には置いておらず、入手する事が困難だった作品ですが、最初にこの作品を読んだとしたら、きっと他の作品には手を出さなかったでしょう。他の作品はどれも僕好みで、とても面白かったので、この作品がマイナーな出版社から出ていて良かったと思いました。



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▲大阪府内にて。
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by chel-c2009 | 2013-09-25 07:30 | 読書


風景スナップと日常と趣味


by chel-c2009

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自己紹介

2009年12月24日開設

関西在住
性別:男性

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【趣 味】
☆写真撮影

ポはポートレートのポ
↑ポートレートのブログ

mixi
↑風景スナップの
アルバムがあります。


◆撮影機材
 キヤノン
  パワーショットG9
 キヤノン
  パワーショットG16
 キヤノン
  IXY DIGITAL 220 IS
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☆読書(推理小説)

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【好きなもの】
 漫才、落語などの演芸
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