タグ:推理小説 ( 188 ) タグの人気記事

【 読み終えた本:三匹の猿 】1月25日

 『三匹の猿 《私立探偵飛鳥井の事件簿》』笠井潔:著 (ベネッセ:刊)

 1995年3月初版発行。私立探偵が主人公の一人称のハードボイルド作品。
 私や俺と言う人称代名詞を使わない文体がユニーク。そして、「?」や「!」という日本語じゃないマークを使っていない事も異色だ。文章に、こだわりがあるように思えるのは、この小説が発表されたのが「海燕」というガチガチの文芸誌だからだろうか。そしてそのせいか、娯楽小説としての文章力が低く、事件の構造が解りにくかった。
 物語の5分の4が進んだ時点でやっと殺人事件が起きるが、それまでは登場人物に魅力がないので、非常に退屈だった。又、調査をする過程で、聞き込みした人物から気になる話が出てくるが、時間が無いという理由で探偵が話を違う方向に進める。そしてその気になる話が後々に伏線になるという手法が2回も出てくる。これは作者都合で、興醒めだった。
 残りの5分の1で、ヒネリのある展開になって面白くなったのが、唯一の救いだったが、探偵にうまく謎を解かせることができなかったせいで、事件の構造の謎解きが犯人の遺書になってしまったのが残念。どうやら、事件の構造を複雑にし過ぎて、作者自身の手に負えなくなったように思える。しかも、その遺書が詳し過ぎて不自然だったし、作者の文体と同じだったのは、興醒めを通り越して呆れた。遺書の文体をそれを書いた作中人物のキャラに合わせないのは、作者の手抜きだと思う。
 この作品は単行本で買って損したと思った。文庫本で充分だった。
 どうでもいい事だが、ベネッセコーポレーションは、旧社名が福武書店で、単行本なのにスピン (栞紐[しおりひも])が付いていなかったり、文字の印刷がかすれて読みにくかったり、造本としてワンランク下の印象を受けた。


a0154706_162284.jpg
▲京都市伏見区にて。
使用カメラ:キヤノン IXY 220 IS
[PR]
by chel-c2009 | 2014-01-25 16:03 | 読書

【 読み終えた本:溺れる犬は棒で叩け 】12月15日

 『溺れる犬は棒で叩け』汀こるもの:著 (講談社ノベルス)

 2013年7月初版発行。
 相変わらず「汀こるもの節」が炸裂しているが、うんちくは他のシリーズに比べると少々少なめ。そして相変わらず、レギュラーの登場人物たちが血糖値を上げたがり、睡眠薬などの薬物を常用している。血糖値を意識した事がなく、常用する薬もない僕には、違和感しかない。
 話運びが強引で不自然なのも、毎度の事だが、話自体はとても面白かった。
 ただし、今回は読後感がものすごく悪かった。元々このシリーズの主人公たちはモラルに欠けているので、前作の『空を飛ぶための三つの動機』なども読後感は良いとは言えなかったが、今回は僕の許容範囲を超えていた。
 一応、物語は完結したが、カバー折り返しの作者の言葉に「問題編終了です」と書いてあったので、続編があるのかもしれない。読後感の悪さは、続編を読むと解消できるかもしれないので、とりあえずあと1冊は読んでみようと思う。
 死神というオカルト設定は許せるが、霊と会話が出来るという超能力の上乗せは、勘弁して欲しい。死者と会話が出来る世界観ならば、念力やテレパシーが存在してもおかしくはなく、密室や殺人は念力で可能だし、探偵もテレパシーで犯人が判ってしまう。霊と会話しているのが、単なる精神障害ならば構わないのだが、どうやらそうではないみたいなので気になる。


a0154706_85195.jpg
▲大阪府内にて。
使用カメラ:キヤノン IXY 220 IS
[PR]
by chel-c2009 | 2013-12-15 08:06 | 読書

【 読み終えた本:立花美樹の反逆 】12月13日

 『立花美樹[よしき]の反逆』汀こるもの:著 (講談社ノベルス)

 2012年4月初版発行。
 今回は宗教についてのうんちくで、独善的な汀こるもの節が炸裂していて興味深かった。
 ミステリィとしては、死体消失の謎や首無し死体が塔のてっぺんに突き刺さっている謎で話を引っ張っていく。
 又、全十四章の章建てが順番になっておらず、四、六、一、三、七、五、二、九、八、十、十二、十一、十三、十四という順番になっており、それに伴って物語の時系列が前後して書かれている。その仕掛けで、読者にサプライズを与える事に、ある程度成功していた。
 ただし、登場人物表に偽名を載せるのはアンフェアだし、神の視点で書かれている地の文にも偽名をそのまま書くのも、正体が分かる為の伏線を張っていたがアンフェアだと思う。
 又、登場人物たちを事件に関わらせる理由が、かなり強引で不自然だったのが気になった。
 このシリーズは以前の作品のネタバレがある事が多いので、順番に読むほうが良いのだが、この作品もそれまでの作品を読んでおいたほうが、主人公の悩みがよく分かり、物語の世界にすんなり入りやすいと思う。


a0154706_626112.jpg
▲大阪府内にて。
使用カメラ:キヤノン IXY 220 IS
[PR]
by chel-c2009 | 2013-12-13 06:28 | 読書

【 読み終えた本:アリアドネアの弾丸〔上・下〕 】12月11日

 『アリアドネアの弾丸〔上・下〕』海堂 尊:著 (宝島社文庫)

 2012年6月初版発行。「チーム・バチスタ」シリーズ。
 相変わらず、小説としては破綻している。「俺」の一人称なのに、途中で何回か唐突に三人称の文章が混ざったり、偽名の人物を地の文で偽名のまま表記するというダメっぷり。
 しかし、エンターテインメントとしては今回もたいへん面白かった。良くできた脚本を読むつもりで読むと、かなり楽しめる。
 トリックもあるし、謎解きもあるが、たいした伏線も無く、この作者にしては頑張っているのだが、謎解きのミステリィとしては、平凡な出来だった。


a0154706_1245010.jpg
▲大阪府内にて。
使用カメラ:キヤノン IXY 220 IS
[PR]
by chel-c2009 | 2013-12-11 12:45 | 読書

【 読み終えた本:空を飛ぶための三つの動機 】12月8日

 『空を飛ぶための三つの動機』汀こるもの:著 (講談社ノベルス)

 2011年10月初版発行。
 メタの手法の推理小説はよく有るが、メタの手法の小説を舞台にしていて、登場人物が作中作のメタのミステリィ小説で謎解きをするという変わった趣向の物語。導入が唐突で、物語の世界観に入りにくいが、このシリーズではいつもの事。
 強引な「こるもの節」は、この作品でも健在で、その部分は楽しめた。しかし、あと味が良くないのが、少々残念だった。



a0154706_11534315.jpg
▲大阪府内にて。
使用カメラ:キヤノン IXY 220 IS
[PR]
by chel-c2009 | 2013-12-08 11:53 | 読書

【 読み終えた本:眼球堂の殺人 】11月25日

 『眼球堂の殺人』周木 律:著 (講談社ノベルス)

 2013年4月初版発行。
 天才数学者が探偵を務めるが、残念ながら天才に見えない。野崎まど氏や森 博嗣氏の作品に登場する天才の造形を見習って欲しい。彼らの作品に登場するのが本当の天才で、周木氏の作品に登場するのは、単なる秀才。
 伏線を丁寧に張っているのには好感が持てたが、伏線があからさま過ぎて、犯人やトリックがバレバレだった事が残念。もう少し、さりげなく伏線を張れないものだろうか。
 大掛かりなトリックを成立させるためだけの眼球堂という建物の存在は、この種類の推理小説ならば許せるのだが、「今さら感」を覚えた。
 最後まで読み通せたが、退屈だったので、この作者の作品は、もう読まないだろう。



a0154706_7231046.jpg
▲京都 嵐山にて。
使用カメラ:キヤノン パワーショット G9
[PR]
by chel-c2009 | 2013-11-25 07:25 | 読書

【 読み終えた本:奥州平泉殺人事件 】11月23日

 『奥州平泉殺人事件』大谷羊太郎:著 (双葉文庫)

 1995年4月初版発行。
 捜査の過程は旅情ミステリィでしたが、僕はミステリィとしての興味しかないので、観光地の説明や描写は邪魔なだけでした。
 複雑なミステリィ的構成は良かったですが、謎の構造が複雑過ぎて、作中の探偵(警察)がすっきりと謎解きを出来ず、最後に作者視点で事件を説明するという、破綻した作品になってしまったのが残念でした。又、登場人物の行動が作者都合で、それが許せないレベルの不自然さでした。
 それでも、時間つぶし程度には面白かったです。



a0154706_7455665.jpg
▲京都 嵐山にて。
使用カメラ:キヤノン パワーショット G9
[PR]
by chel-c2009 | 2013-11-23 07:46 | 読書

【 読み終えた本:キウイγは時計仕掛け 】11月20日

 『キウイγ[ガンマ]は時計仕掛け』森 博嗣:著 (講談社ノベルス)

 2013年11月初版発行。Gシリーズの9冊目。
 ミステリィとして、なんのサプライズもなく、Gシリーズの中では一番面白くありませんでした。前作の『ジグβ[ベータ]は神ですか』が面白かったので、余計そう感じました。
 Gシリーズではレギュラーの、ひとりの女性のキャラが、これまでのシリーズと比べると変化していて、思考能力が低く、どちらかと言えばバカになっていた事も残念でした。
 又、登場人物の言葉を通しての作者の主張が、他のシリーズと比べると強く出ていたのも興醒めでした。
 この作品は、Gシリーズを追いかけている人でなければ、まったく面白くない物語だと思います。


a0154706_118519.jpg
▲大阪市都島区にて。
使用カメラ:Canon EOS 30D
使用レンズ:EF28〜105ミリ F3.5-5.6 IS USM
[PR]
by chel-c2009 | 2013-11-20 15:00 | 読書

【 読み終えた本:黄泉津比良坂、血祭りの館 】11月14日

 『黄泉津比良坂[よもつひらさか]、血祭りの館』藤木稟:著 (徳間文庫)

 文章があまり上手くないせいで、文意を取れない事が何度もありました。紙芝居の語りを文章化したような小説もどきの作品でした。とにかく読みにくく、一場面一視点が守られていなくて、視点の固定がまるっきり出来ていません。
 又、否定疑問文の答えの仕方が日本人としては変でした。例えば、「今日は暑くないよね?」と否定形で訊かれたら、暑くなければ「はい、暑くないです」が日本人の答え方ですが、作者は「いいえ、暑くないです」と答えさせます。こういう些細な事も相まって、非常に読みにくかったです。
 伏線を読み取る事が大事な推理小説ですが、文章が下手なので、伏線を読み取る事をあきらめて斜め読みをしました。結果、読んでいて楽しくなかったかと言うと、そうではなく、おどろおどろしい世界観が僕好みだったので、楽しく読めました。謎解きも伏線がどうのこうのという物ではなかったので、飛ばし読みしても問題は無かったです。
 ただし、この作品はこれで完結しておらず、続きがあります。


a0154706_201572.jpg
▲大阪府内にて。
使用カメラ:キヤノン IXY 220 IS
[PR]
by chel-c2009 | 2013-11-14 20:04 | 読書

【 読み終えた本:アルカトラズ幻想 】10月29日

 『アルカトラズ幻想』島田荘司:著 (文藝春秋社:刊)

 2012年9月初版発行。御手洗シリーズや吉敷シリーズではない作品。
 夢オチに近い仕掛けをするなら奇想の内容は何でもありで、いくらでも不可思議な現象を起こせます。作者の筆力で最後まで退屈せずに読めましたが、ミステリィとしては微妙な作品でした。
 少し前からの島田作品では当たり前なっている事ですが、調べた資料がこなれずに紹介されていて、物語から浮いています。
 無駄な描写が多いです。重力と生物(恐竜)の話も無駄と言えば無駄で、後半の人間の直立の部分だけで済みます。有り物の話を上手に組み合わせているのには感心しますが、前半と後半が別物になっています。
 じつは図書館で借りて読んだのですが、読み終えてみて、「物語としては、とても面白かったけれど、わざわざ単行本を買わなくて良かった」と言うのが正直な感想です。


a0154706_7435345.jpg
▲大阪府内にて。
使用カメラ:キヤノン IXY 220 IS
[PR]
by chel-c2009 | 2013-10-29 07:44 | 読書


風景スナップと日常と趣味


by chel-c2009

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

自己紹介

2009年12月24日開設

関西在住
性別:男性

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【趣 味】
☆写真撮影

ポはポートレートのポ
↑ポートレートのブログ

mixi
↑風景スナップの
アルバムがあります。


◆撮影機材
 キヤノン
  パワーショットG9
 キヤノン
  パワーショットG16
 キヤノン
  IXY DIGITAL 220 IS
 キヤノン
  EOS30D

☆読書(推理小説)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【好きなもの】
 漫才、落語などの演芸
 動物(特に猫)

カテゴリ

全体
写真
スナップ
読書
雑談
落語
未分類

以前の記事

2017年 04月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 10月
2016年 08月
more...

最新の記事

【さくら】4月9日
at 2017-04-09 15:19
【グリーティング】2月5日
at 2017-02-05 12:07
【 年賀2017 】1月1日
at 2017-01-01 00:25
【とりあえず写真を】10月22日
at 2016-10-22 08:15
【いつまで、この暑さは続くの..
at 2016-08-17 23:50

検索

タグ

(1346)
(1022)
(980)
(752)
(198)
(188)
(155)
(123)
(113)
(83)
(73)
(65)
(64)
(55)
(45)
(33)
(18)
(15)
(8)
(6)

ブログ解析

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

カメラ
日々の出来事

画像一覧