カテゴリ:読書( 243 )

【 読み終えた本:私が殺した少女 】2月3日

 『私が殺した少女』原寮[はら りょう]:著 (ハヤカワ文庫JA)

 1996年4月初版発行。第102回直木賞受賞作品で、私立探偵 沢崎シリーズの第2作目。分類としては、ハードボイルドになります。緻密な構成で、ラストまで緊張感が持続して話が展開します。たいへん面白かったです。
 一人称描写にミスもありましたが、丁寧に書かれた作品でした。今回もヒネリの利いたラストが秀逸でしたが、真相の意外性を出すために少々無理のある話運びでした。取って付けたような意外な真相で、「新本格」が好きな僕は大丈夫でしたが、本格的なハードボイルドが好きな人には受け入れられないかもしれません。
 そして、ほろ苦いラストでしたが、読後感は悪くなかったです。
 寡作な作家で、今のところ出版されていて未読なのは、短編集『天使たちの探偵』と長編の『さらば長き眠り』と『愚か者 死すべし』の3冊です。これまでの2冊が面白かったので、残りの作品も機会があれば読んでみたいと思います。


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▲大阪府内にて。
使用カメラ:キヤノン IXY 220 IS
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by chel-c2009 | 2014-02-03 18:03 | 読書

【 読み終えた本:こなもん屋 馬子 】1月27日

 『こなもん屋 馬子』田中啓文:著 (実業之日本社:刊)

 2011年10月初版発行。7つの作品が収められた連作短編集。ジャンルはユーモアミステリィですが、かなりコテコテのユーモア(笑い)で、お笑い好きな人や関西人にはウケると思います。表紙がダサかったので、あまり期待せずに読みましたが、予想に反して面白かったです。
 各短編のタイトルは、「豚玉のジョー」や「焼そばのケン」など、扱う粉もんの名前とその話での語り手の名前の組み合わせです。そして、語り手の名前を、なぜかしら科学忍者隊ガッチャマンの主役たちから借りています。
 尚、2013年8月の文庫化に際して、『こなもん屋うま子』とタイトルが変わりました。こちらのほうがダジャレが解りやすくて良いと思います。
 話しの展開がパターン化されていて、安心して読み進む事ができます。主人公の馬子の正体に関して、ホラー (ファンタジィ)ふうの味付けをしていますが、謎のままで終わった事が残念でした。三津田信三氏の作品ならば気にならないのですが……。
 調べてみると、うま子が出てくる別のシリーズもあるようなので、機会があれば読んでみたいと思います。


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▲京都市伏見区にて。
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by chel-c2009 | 2014-01-27 08:24 | 読書

【 読み終えた本:ひまわりの祝祭 】1月26日

 『ひまわりの祝祭』藤原伊織:著 (講談社文庫)

 2000年6月初版発行。江戸川乱歩賞受賞第1作。ジャンルはハードボイルド。ハードボイルドは苦手なのだが、絵画業界や広告業界が舞台の背景にあるので読んでみた。
 よく練られたプロット、魅力的な登場人物たち、起伏に富んだストーリィ展開と意外な真相で、とても面白かった。
「いまどき、マックおいてないデザイン事務所なんか、トレスコおいてるところよかめずらしいよ。たしかに、ここ二、三年でこの業界はものすごく変わったな。(中略) ロトで引くのに較べりゃケイなんか一発だし、カンプの上がりもスピードも全然ちがう。(後略)」
という文章を解説無しで完全に理解できる僕にとって、時代背景を含めて、物語の世界に浸りやすく、主人公に感情移入もしやすかった。この作品が、たとえミステリィじゃなかったとしても興味深く読んだだろう。
 唯一の不満は、最後に死んだ人物は重症でもよかったはずなのに、作者が死を選んだ事だ。


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▲大阪府内にて。
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by chel-c2009 | 2014-01-26 10:17 | 読書

【 読み終えた本:三匹の猿 】1月25日

 『三匹の猿 《私立探偵飛鳥井の事件簿》』笠井潔:著 (ベネッセ:刊)

 1995年3月初版発行。私立探偵が主人公の一人称のハードボイルド作品。
 私や俺と言う人称代名詞を使わない文体がユニーク。そして、「?」や「!」という日本語じゃないマークを使っていない事も異色だ。文章に、こだわりがあるように思えるのは、この小説が発表されたのが「海燕」というガチガチの文芸誌だからだろうか。そしてそのせいか、娯楽小説としての文章力が低く、事件の構造が解りにくかった。
 物語の5分の4が進んだ時点でやっと殺人事件が起きるが、それまでは登場人物に魅力がないので、非常に退屈だった。又、調査をする過程で、聞き込みした人物から気になる話が出てくるが、時間が無いという理由で探偵が話を違う方向に進める。そしてその気になる話が後々に伏線になるという手法が2回も出てくる。これは作者都合で、興醒めだった。
 残りの5分の1で、ヒネリのある展開になって面白くなったのが、唯一の救いだったが、探偵にうまく謎を解かせることができなかったせいで、事件の構造の謎解きが犯人の遺書になってしまったのが残念。どうやら、事件の構造を複雑にし過ぎて、作者自身の手に負えなくなったように思える。しかも、その遺書が詳し過ぎて不自然だったし、作者の文体と同じだったのは、興醒めを通り越して呆れた。遺書の文体をそれを書いた作中人物のキャラに合わせないのは、作者の手抜きだと思う。
 この作品は単行本で買って損したと思った。文庫本で充分だった。
 どうでもいい事だが、ベネッセコーポレーションは、旧社名が福武書店で、単行本なのにスピン (栞紐[しおりひも])が付いていなかったり、文字の印刷がかすれて読みにくかったり、造本としてワンランク下の印象を受けた。


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▲京都市伏見区にて。
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by chel-c2009 | 2014-01-25 16:03 | 読書

【 読み終えた本:小説家 】1月18日

 『小説家《直木賞作家になれるかもしれない秘訣》』高橋克彦:著 (講談社文庫)

 1996年1月初版発行。元は1991年6月に実業之日本社から仕事発見シリーズとして刊行されたもの。
 この作家の作品にまったく興味はなく、1冊も著書を読んだ事は無いのだが、あとがきに
「この世の中で何が嫌いかといって、半端な人間の自伝の右に出るものはない。公共図書館の自伝コーナーほど寒気に襲われる場所はないと思っている。うぬぼれや自己弁護が渦巻いている。それらと、この本が同一視されることを私は極端に恐れているのだ」
と書かれているのを発見して読む気になった。今まで読んだ自伝がうぬぼれと自己弁護が渦巻いているものばかりで、毎回辟易したから、口直しのつもりだった。
 だまされた。この本を読んでも絶対に直木賞作家になれないし、それらしい秘訣も書かれていない。それどころか、作者が嫌いだと書いていた、うぬぼれや自己弁護が渦巻いていた。この作家のファン向けの本だった。
 ただ、ライトノベルに対しての苦言など、共感できる部分が少しだけあったのは救いだった。


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▲京都市伏見区にて。
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by chel-c2009 | 2014-01-18 06:48 | 読書

【 読み終えた本:円谷英二 (学習まんが人物館) 】12月20日

 『円谷英二/ウルトラマンをつくった映画監督』 (小学館:刊)

 1996年9月初版発行。小学館版 学習まんが人物館シリーズの中の1冊で、「ゴジラ」などの特撮映画の監督の円谷英二さんの伝記です。
 まんが担当:小林たつよし。シナリオ担当:野添梨麻。
 特撮好きの僕にとって、世界に通用する日本の特撮技術の生みの親のバックボーンが知れて、とても面白かったです。子供向けの本といえども、あなどれません。尚、図書館で借りました。


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▲大阪府内にて。
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by chel-c2009 | 2013-12-20 06:58 | 読書

【 読み終えた本:藤子・F・不二雄 (学習まんが人物館) 】12月19日

 『藤子・F・不二雄/こどもの夢をえがき続けた「ドラえもん」の作者』 (小学館:刊)

 1997年10月初版発行。小学館版 学習まんが人物館シリーズの中の1冊で、漫画家の藤子・F・不二雄さんの伝記です。
 まんが担当:さいとうはるお。シナリオ担当:黒沢哲哉。
 以前から藤子・F・不二雄さんのファンだったので、目新しい発見はありませんでしたが、とても面白かったです。子供向けの本といえども、あなどれません。尚、図書館で借りました。


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▲大阪府内にて。
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by chel-c2009 | 2013-12-19 12:58 | 読書

【 読み終えた本:手塚治虫 (学習まんが人物館) 】12月18日

 『手塚治虫/21世紀をデザインしたまんが家』 (小学館:刊)

 1996年4月初版発行。小学館版 学習まんが人物館シリーズの中の1冊で、漫画家の手塚治虫さんの伝記です。
 まんが・シナリオ担当:伴 俊男。
 以前から手塚治虫さんのファンだったので、目新しい発見はありませんでしたが、とても面白かったです。子供向けの本といえども、あなどれません。尚、図書館で借りました。
 不思議な事に、表紙カバーのどこにも著者の伴 俊男氏の名前が見当たらず、目立つところに「解説 藤子・F・不二雄」と書いてあり、著者を藤子・F・不二雄と誤認させています。


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▲大阪府内にて。
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by chel-c2009 | 2013-12-18 15:00 | 読書

【 読み終えた本:溺れる犬は棒で叩け 】12月15日

 『溺れる犬は棒で叩け』汀こるもの:著 (講談社ノベルス)

 2013年7月初版発行。
 相変わらず「汀こるもの節」が炸裂しているが、うんちくは他のシリーズに比べると少々少なめ。そして相変わらず、レギュラーの登場人物たちが血糖値を上げたがり、睡眠薬などの薬物を常用している。血糖値を意識した事がなく、常用する薬もない僕には、違和感しかない。
 話運びが強引で不自然なのも、毎度の事だが、話自体はとても面白かった。
 ただし、今回は読後感がものすごく悪かった。元々このシリーズの主人公たちはモラルに欠けているので、前作の『空を飛ぶための三つの動機』なども読後感は良いとは言えなかったが、今回は僕の許容範囲を超えていた。
 一応、物語は完結したが、カバー折り返しの作者の言葉に「問題編終了です」と書いてあったので、続編があるのかもしれない。読後感の悪さは、続編を読むと解消できるかもしれないので、とりあえずあと1冊は読んでみようと思う。
 死神というオカルト設定は許せるが、霊と会話が出来るという超能力の上乗せは、勘弁して欲しい。死者と会話が出来る世界観ならば、念力やテレパシーが存在してもおかしくはなく、密室や殺人は念力で可能だし、探偵もテレパシーで犯人が判ってしまう。霊と会話しているのが、単なる精神障害ならば構わないのだが、どうやらそうではないみたいなので気になる。


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by chel-c2009 | 2013-12-15 08:06 | 読書

【 読み終えた本:立花美樹の反逆 】12月13日

 『立花美樹[よしき]の反逆』汀こるもの:著 (講談社ノベルス)

 2012年4月初版発行。
 今回は宗教についてのうんちくで、独善的な汀こるもの節が炸裂していて興味深かった。
 ミステリィとしては、死体消失の謎や首無し死体が塔のてっぺんに突き刺さっている謎で話を引っ張っていく。
 又、全十四章の章建てが順番になっておらず、四、六、一、三、七、五、二、九、八、十、十二、十一、十三、十四という順番になっており、それに伴って物語の時系列が前後して書かれている。その仕掛けで、読者にサプライズを与える事に、ある程度成功していた。
 ただし、登場人物表に偽名を載せるのはアンフェアだし、神の視点で書かれている地の文にも偽名をそのまま書くのも、正体が分かる為の伏線を張っていたがアンフェアだと思う。
 又、登場人物たちを事件に関わらせる理由が、かなり強引で不自然だったのが気になった。
 このシリーズは以前の作品のネタバレがある事が多いので、順番に読むほうが良いのだが、この作品もそれまでの作品を読んでおいたほうが、主人公の悩みがよく分かり、物語の世界にすんなり入りやすいと思う。


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▲大阪府内にて。
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by chel-c2009 | 2013-12-13 06:28 | 読書


風景スナップと日常と趣味


by chel-c2009

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2009年12月24日開設

関西在住
性別:男性

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【趣 味】
☆写真撮影

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◆撮影機材
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  パワーショットG9
 キヤノン
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☆読書(推理小説)

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【好きなもの】
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