【 読み終えた本:繭の夏 】10月27日

  『繭の夏』佐々木俊介:著 (東京創元社:刊)

 1995年9月初版発行。第六回鮎川哲也賞 佳作受賞作品。1月22日のエントリーに書いた本のうちの1冊。やっと読み終えた。
 過去に起こった事件を今になって暴き出して解決するという、いわゆるスリーピング・マーダー物。
 姉と弟が力を合わせて事件を解決するのだが、ふたりを事件に関わらせる切っ掛けが思いっきり不自然。押し入れの天井板が少し浮いていても、普通は気にしないか、手で直して終わり。浮いた天井板から手だけを突っ込んで天井裏を探ったりは、絶対しない。させるなら、それらしい理由をでっちあげるべき。
 又、章ごとに”僕(弟)”か”私(姉)”の一人称のどちらかで書かれているが、ふたつの視点を使う必要性が無く、「僕」だけで充分。そして、どちらの視点描写も説明セリフが多過ぎ。いったい僕や私は誰に向かって説明しているのか。読者を意識して説明をしているのなら、自分が物語の中の登場人物だと知っている事になって、メタの手法以外では小説が成立しない。(特に本作のような本格推理小説の場合、叙述トリックの伏線に思われるので、やってはいけない)
 文章も、無駄な描写が多く、構成も平凡だった。巻末の選評では文章力があると書かれていたが、読みやすい事と文章力がある事は、別物だと思う。読みやすいが文章に勢いが無く、物語全体がミステリィとしての緊張感に欠けていて退屈だった。
 しかし、肝心のミステリィとしての出来は悪くなかった。むしろ、伏線が丁寧に張られていて、謎解きの部分はそこそこ面白かった。
 とは言うものの、わざわざ単行本で買うほどの作品では無かった。鮎川哲也賞受賞作品で恐ろしく低レベルだった『体育館の殺人』を買ってしまったような後悔は無かったが……。


a0154706_15005662.jpg
▲大阪府内にて。
使用カメラ:キヤノン IXY 220 IS
[PR]
by chel-c2009 | 2014-10-27 15:02 | 雑談


風景スナップと日常と趣味


by chel-c2009

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

自己紹介

2009年12月24日開設

関西在住
性別:男性

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【趣 味】
☆写真撮影

ポはポートレートのポ
↑ポートレートのブログ

mixi
↑風景スナップの
アルバムがあります。


◆撮影機材
 キヤノン
  パワーショットG9
 キヤノン
  パワーショットG16
 キヤノン
  IXY DIGITAL 220 IS
 キヤノン
  EOS30D

☆読書(推理小説)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【好きなもの】
 漫才、落語などの演芸
 動物(特に猫)

カテゴリ

全体
写真
スナップ
読書
雑談
落語
未分類

以前の記事

2017年 04月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 10月
2016年 08月
more...

最新の記事

【さくら】4月9日
at 2017-04-09 15:19
【グリーティング】2月5日
at 2017-02-05 12:07
【 年賀2017 】1月1日
at 2017-01-01 00:25
【とりあえず写真を】10月22日
at 2016-10-22 08:15
【いつまで、この暑さは続くの..
at 2016-08-17 23:50

検索

タグ

(1346)
(1022)
(980)
(752)
(198)
(188)
(155)
(123)
(113)
(83)
(73)
(65)
(64)
(55)
(45)
(33)
(18)
(15)
(8)
(6)

ブログ解析

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

カメラ
日々の出来事

画像一覧