【 読み終えた本:さよならドビュッシー 】8月15日

 朝起きると家の前の道路が濡れていた。どうやら雨が降ったらしいが、日が照っていないと打ち水効果が無いから、気温は下がらずだった。


 さて、読み終えた本は、
 『さよならドビュッシー』中山 七里:著(宝島文庫)

 音楽演奏の世界を舞台にした本格ミステリィで、たいへん面白かった。
 設定はベタではあるが、ストーリィテリングは巧く、この面白さは海堂 尊氏の諸作品に通ずるものがあると感じた。海堂作品が好きなら、本作品も気に入るのではないだろうか。
 しかし、じつは途中で一度読むのをやめた作品だった。やめた理由は、”あたし”の一人称で文章が綴られているのだが、”あたし”が説明文を語り過ぎて、小説としてレベルがあまりにも低かったからだ。
 たとえば、”あたしのお爺ちゃんは資産家だ”という人物紹介の文章が会話文でなく、”あたし”の地の文の中に出てくる。これでは”あたし”が”読者”に向かって言ってしまっている。あたしが読者の存在を意識するのは、おかしい。〈あたしのお爺ちゃんが資産家〉という事を読者に示す場合、会話文で「あたしのお爺ちゃんって資産家なの」などと書かなければならない。
 そのくせ、法曹と放送のダブルミーニングを、会話文なのにホウソウと表記するチグハグさ。”あたし”が聞いて放送と認識したならば〈放送〉と漢字で書くべき。
 ワープロソフトで単語を安直に変換している様子がうかがわれる事もマイナスだった。たとえば、〈項垂れる〉は、〈うなだれる〉で不都合はないはず。
 そんなわけで途中で放り出したのだが、その次に読んだ『名探偵はもういない』の文章が小説でさえない物だったので、これよりはひどくないだろうと思い、再チャレンジした。結果、再チャレンジして良かった。登場人物のひととおりの説明が終わると、まともな一人称描写になって、それ以降はあまり文章的に気になる所は無かった。
 登場人物が少ないので、トリックは推測できたが、どんでん返しが殺人のきっかけに繋がるのも良かったし、どんでん返しのための伏線も丁寧に張られていて好感が持てた。読後感も、救いがあって悪くはなかった。
 ラスト1行が綺麗に決まり、作者のドヤ顔が目に浮かんだ。


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▲大阪市内にて。
使用カメラ:キヤノン IXY 220 IS
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by chel-c2009 | 2011-08-15 08:36 | 読書


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2009年12月24日開設

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